27日、区職員と特別職(区長、副区長、教育委員長、監査委員、議員等)の給与・報酬引き上げの議案が議決され、党区議団を代表して清水区議が賛成討論を行いました。内容は以下の通りです。
日本共産党区議団を代表して第126号議案から第131号議案6件に賛成する討論を行います。
まず初めに、11月6日に行われた読売国際経済懇話会で、安倍首相は「雇用は100万人以上増えました。正社員に限った有効求人倍率も最高水準、正規雇用は21万人増加しています」と強調しました。しかし、労働者派遣法など労働法制の相次ぐ改悪によって賃金水準が低い非正規雇用が拡大し、安倍首相の言う雇用増の中身は圧倒的に非正規で、11月4日、厚労省が発表では、非正規比率が初めて40%に達しました。非正規の賃金は正社員の63%と大きな格差があり、正社員の有効求人倍率は直近の9月で0.77倍で求人数が求職者数に満たない状況が続いています。
このことが実質賃金にも影響し、実質賃金指数は7~9月、3か月続けて前年同月比で微増はしたものの、2013年5月から2年間にわたって前年割れが続き、大企業が史上最高の収益をあげる一方で賃上げが進まないことは政府の経済財政諮問会議でも取り上げられました。昨日安倍内閣は大企業に賃金引上げを要請しています。
そのような中でも、今年の特別区人事委員会勧告で、特別区の職員の賃金が民間賃金と比べて低いことから、月例給で公民較差1434円、0.35%を解消するため、特別給(期末手当・勤勉手当)で年間の支給月数を0.1月引き上げるとの内容により、職員の給与に関する条例の一部改正と特別職報酬等の改定の提案がされました。
昨年15年ぶりに公務員等 給与の引き上げが行われ今年で2年連続の値上げになりますが、長年公務員と民間の賃金引下げ競争がつづけられ個人消費が冷え込む中で、景気は大きく落ち込みました。公務員の給与の引き上げは、最低賃金の引き上げや民間企業における賃金上昇に波及する効果があります。ひいては区内中小企業等、昨年行われた産業調査で明らかになった 5割が3人以下・8割が9人以下の製造業3481社をはじめ、区内労働者の給料を引き上げていくことにもなります。
日本共産党区議団は、非正規雇用の拡大により賃金格差が広がり、格差と貧困を広げ、全体の経済を押し下げるのではなく、雇用は正規雇用で、労働者の賃金を引き上げるためにこそ政治の力を発揮すべきことを提案してきました。今 大田区がすすめている民間委託や指定管理者制度などで低賃金、不安定な非正規雇用を増やす政策こそ改めるべきです。
区民の懐を温め、消費を増やすことこそ、大田区内の景気をよくする道です。
今条例による職員、特別職同様の賃金の引き上げに賛成します。以上で討論を終わります。