住民追い出しになる再開発事業は中止を

  • 2013年12月17日
  • 2013年12月17日
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第3回定例会では、これまでも計画に上っていた羽田空港跡地の開発や蒲田・大森駅周辺地区の開発、新空港線「蒲蒲線」鉄道事業について、東京でのオリンピック・パラリンピック開催が決まったこともあり、区長はじめ他の議員からも推進加速を求める発言が目立ちました。しかし、多額の税金が投入される大型開発は拙速に行うべきではありません。内容についても区民に十分な周知をされていないうえに、地域の活性化や採算性の保障もありません。

京急蒲田西口駅前再開発事業は、地区面積1haに地下1階、地上20階に商業施設、住宅、駐輪場などの建築物を建設するものです。公共施設としては、都市計画道路や特別区道の拡幅整備と約1,000㎡のペデストリアンデッキを含む4,400㎡の交通広場を新設します。総事業費は約236億円とされています。

今年の2月に権利変換がすみましたが、再開開発組合の資料によりますと権利変換の対象者で、地権者164人のうち45人、借家権者125人のうち111人、その他の権利者25人全員、合計314人のうち181人が転出となっています。事業目的には、防災性の向上、市街地に活性化、良好な都市住宅の提供などと掲げられていますが、これまで住んでいた人や商売をされていた人たちが住み続けられなくなったということです。糀谷駅前地区再開発でもすでに転出する人が出ていると聞いています。

また、区は蒲田駅周辺整備について、2009年度に「蒲田駅周辺地区グランドデザイン」を策定、その後も調査研究会や駅開発検討部会などを設置し、昨年度は「蒲田都市づくり推進会議」の設置と「蒲田駅周辺再編プロジェクト(素案)」を作成しました。整備の進め方として、プロジェクト策定から5年以内をめどに着手する初動期、10~20年以内を中長期としています。駐輪場の整備や東西連絡通路の整備は区民の要望でもありますので、すすめていくことは必要です。一方、京急蒲田西口や糀谷駅前と同様に住民追い出しになることが危惧されます。

地域の商店会の役員さんが、「町が消えてゆく」と話されたと聞いています。地域住民にとっていい街とは安心して住み続けることができる街ではないでしょうか。再開発事業には多額の税金が投入されます。自分が納めた税金を使って、自分が追い出されるまちづくりは間違っています。中止すべきです。

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