8、9日と鳥取県北栄町と大阪市に視察に行ってきました。今回の目的は北栄町では再生可能エネルギーとそれに伴う雇用確保、仕事おこし、大阪ではビジネスマッチングについて調査しました。
8日、羽田空港から鳥取空港に、鳥取空港から車をレンタルし北栄町に行き風力発電についてお話を伺いました。
北栄町は風力発電で有名な町です。担当課長から説明を受けましたが、課長の息子さんが、大田区の久が原に住んでいることが分かりとても親近感がわきました。
風力発電の概要は1.5MWの風車が9基ドイツ製で年間23900MWhとなり6600世帯分に相当するので、北栄町の5227世帯を上回りますが、すべて中国電力へ売電することになっています。
事業費が28億円(国の補助7億円、地方債20.5億円)で、売電の収入は2.5億円(年)でしたが、今年7月から全量買い取り制度に変わり4.5億円へとなる見込みが、故障が多く管理運営費が約2億円で、起債の返済金を合わせて3.5億円の予算を組んでいるので、収入が上回る分は住民に還元できると話されました。
説明のあとの質疑応答で、そもそものきっかけは平成の大合併で北栄町(北条町と大栄町)が誕生し、北条町の町長さんの英断で当時の税収入が約30億円なのに、20億円の借金で風車を9基つくることになったそうです。
雇用と地域経済効果では、風車を建設するときには地元の業者もかかわったことがあるそうですが、メンテナンスはドイツ製のため仕事は特定の代理店のみであり効果がありませんでした。国産にすれば多少変わるかもしれません。
また、今回の視察した風車は全長103M。国産で小型化することによって大田区の町工場への部品発注などが考えられるのではないかと思いましたが、効率の問題でむしろ大型化に進んでいることが話されましたが、小型化をすすめることが大田区の中小企業の仕事づくりにはつながると感じました。
その後、町役場の公用車の先導で風力発電機がある現地に向かいましたが、そのとき公用車のマークが、なんとコナン君です。名探偵コナンの作者の青山氏は北栄町出身。そのためこのようなとても目立つシールを張り、町おこしとして一役買っています。
9日、鳥取から約3時間かけて約200キロ離れた大阪に行き、大阪市が中小企業支援として行っているビジネスマッチングについて視察のため、産創館に行きました。
大阪市が取り組んでいるもので経営に役立つ様々なサービスの提供や経営相談、セミナー、ビジネススクール、商談会などのサポートを行っています。特に注目したのがビジネスマッチングで、製造業の販路・技術提携先などを紹介する取り組みです。
特に関心したのは、マッチングナビゲーターと呼ばれる経験豊富な大企業OBなどが現在53人おり、中小企業などに訪問してその企業の得意分野や特徴などを他の業種への活用や各企業にあったマッチングを模索し、売り込みを行います。
中小企業への行政支援として必要なものがマッチング事業ですと説明を受けましたが、マッチング事業で、このマッチングナビゲーターがポイントのような気がしました。このような方をどのように組織していくのかが問題だと思いますが、大田区でも取り組みたいと思います。
また、創業支援も行っていてブースを貸し出すだけでなく相談、アドバイスも受けることを義務付けしていていました。
今回の目的は大田の町工場の優れた技術を継承・発展させるためにも、マッチング事業で仕事をつくっていくことにあります。視察では実際に話を聞いて、大田区政に生かせるヒントを得ることができましたし、今後の区政への取り組みに生かしていきたいと思います。