3月12日第1回定例会最終日に国民健康保険料の値上げの条例に、日本共産党大田区議団が反対しました。以下反対討論の内容です。
日本共産党区議団を代表して第57号議案 大田区国民健康保険条例の一部を改正する条例に反対の討論を行います。
厚生労働省が3月3日に発表した1月の毎月勤労統計調査(速報)によると実質賃金は19カ月連続でマイナスとなり物価高で賃金の目減りが続いています。昨年4月からの消費税増税に加えて円安による物価高で区民生活は大変深刻な状況になっています。
65歳以上の高齢の国保加入者は、今年3年ごとの介護保険料の見直しによる大幅な値上げが行われるため殆んどの世帯で値上げになります。また、40歳から64歳の加入者で子どもを扶養する子育て世帯も、低所得世帯と子どもの多い多子世帯で大きな値上げになります。特に参考資料で示されたモデルケースによる試算によると、40歳から64歳の夫婦と子どもの1人の3人世帯で年収300万円の世帯で年間保険料が31万9000円、年収200万円の世帯で年間保険料が21万7800円と、のきなみ年収の1割を超える保険料で、今回資料がしめされませんでしたが、子ども2人の4人世帯、子どもが3人の5人世帯は更なる保険料の負担増が子育て中の区民の暮らしを襲います。さらに、大田区内の国保加入世帯の所得階層を調べてみると、年所得200万円以下の世帯が全体の73.4%の8万6002世帯にのぼることが明らかになっています。
今回の保険料の改定はこの大多数の低所得者世帯や子育て世帯を直撃する値上げです。現在も、区内の国保加入者は大変厳しい状況に置かれており、昨年10月末現在で滞納世帯は4万6476世帯で、加入世帯の約4割が保険料が払えず滞納し、短期証発行世帯は3323世帯、資格証発行世帯は479世帯、保険料未納のための差し押さえが114件で、今でも国民健康保険料は高すぎて払えず、区民の命と健康がおびやかされており、多くの区民の支払能力を大きく超える保険料の更なる値上げはとうてい認められるものではありません。
保険料の連続的な値上げは滞納者を更に増やす悪循環となり、その穴埋めに一般財政からの投入も増えます。持続可能な社会保障としての国民健康保険を維持するためにも、構造的欠陥を解決するために、国庫負担の割合を元々の5割に増やすことを国に求めるよう要望し、反対討論とします。